てぬぐいの染め

注染(ちゅうせん)のはじまり

《江戸天保年間1832~1841年》に注染の原型となる染色技法(渋紙にて模様型を作り木綿の上に置き、土粒を練って型紙の上から竹べらで塗り付けて防染した後、藍瓶の中に浸漬して染め上げる方法)が考案されました。

《元治・慶応年間》に始まった人造染料の輸入が明治維新後盛んになり、色染めが広まります。また明治初期より型紙も一部変え、従来柄が白抜き・地色が藍で染め上がったものを、逆に彫り白地に柄が染められるようになりました。明治年間には染料を注ぎかけて染める技法が確立し、 更に改良が重ねられ現在の注染技法に至りました。

1度に数十枚染められるため当時としては画期的な大量生産の方法でしたが、その技法は、てぬぐい1枚分ずつ折り返しながら糊付けをし、両面から染料で染付けをするという非常に手間の掛かるものです。また、季節・気温など状況の変化により染料や糊の配合を変えるといった熟練の職人技は、今も変わらず受け継がれています。

「大阪府織物染色協同組合 資料より」

型紙(かたがみ)

数枚の和紙を柿渋(かきしぶ)で塗り固めた「渋紙(しぶがみ)」から出来ています。渋紙を手彫りして紗(しゃ)を貼ります。渋紙は紙でありながら耐水性があり、繰り返し使うことが出来ます。現在では、渋紙を作る工場はごく僅かで、型を彫る職人さんも減ってきているため、貴重な技術となりつつあります。

染め方の種類

てぬぐいは基本的に白地の晒を用いて染めていきます。染め方には様々な種類があり、特徴的な技法をご紹介します。
これらの染め方を合わせることで、より繊細な柄を作り出します。

一色染め

「豆絞り」などの代表的なてぬぐいの染め方です。白い晒生地に 1 色の染料を用います。白地に染め色が映えて粋な印象になります。

差し分け

1 枚の型紙で同時に2色以上を染める技法。糊で土手を作って色を染め分けます。色と色が混ざるのを防ぐため、間隔を開けて柄を作ります。

クレア染め

地色を無地で一色染めた生地を「クレア」といいます。
地色(クレア)は主に薄い色で染め、柄の部分を濃い色で染めます。

細川染め

2 枚以上の型紙を使って染める技法を「細川染め」といいます。<糊付け→染め→水洗・糊落とし→乾燥>の一連の作業を型ごとに繰り返すため、高度な技術が必要です。
1 型ごとに洗い~乾燥を行うため、生地の伸縮やゆがみが起こり柄のズレが生じますが、ひとつとして同じものが出来ないといった良さもあります。

ぼかし染め

注染ならではの技法です。濃い染料と薄い染料を同時に流し染めていくことで、絶妙な濃淡を描き出します。
ぼかし染めのてぬぐいは絵画のように美しく、飾り用の柄によく使われます。